夜中に家の中から音が聞こえてくる
母と娘と2人暮らしの家。
夜は、同じ部屋に布団を敷いて、2人で一緒に寝ている。ある日の深夜、娘がふと目を覚ますと、隣の部屋から何か音が聞こえてきた。
畳の上を歩く音、引き出しを開けたり閉めたりするような音、何か物を移動させているような音。誰もいないはずの部屋からこんな音が聞こえてくる。
もちろん、この家の中には、母と娘の2人きりしかいない。そして2人とも、今この部屋にいる。
「隣の部屋に誰かいる!」と娘はヒビリ上がり、そっと母を起こした。母も隣の気配を感じて恐怖にすくんだ。
どうしよう・・とひそひそ話し合った結果、逃げるしかないと決めて、気配を殺し、そ~っとふすまを開けて、ゆっくりと玄関へ向かった。
廊下へ出ると「問題の部屋」は、ドアは閉まっていた。継続してまだ音が聞こえてくる。
このまま外へ逃げるしかないと、2人はすごく静かに歩いていたが、でもどんなにそっと歩いても、やっぱり何かの音はする。
こちらの足音に気づいたのか、問題の部屋から「ガラガラガラッ!」と、勢いよく窓を開ける音が聞こえ、その直後、何者かが外の庭に飛び降りた音、そして走って逃げていく足音が聞こえてきた。
キャー!と悲鳴を上げて2人も外へ逃げ出し、結局不審者も母も娘も全員がこの家から同時に逃げ出した。
そのまま警察に通報し、警察官についてきてもらって家に戻ってみると、やっぱり泥棒だった。部屋のタンスや引き出しは開けられ、何が盗られたのかは分からないが、かなり部屋が荒らされていた。
その部屋には、床から上までの大きな窓があるので、そこのカギをかけておらず、その窓から侵入したんだろう、という警察の推測だった。
―――――――――――――
・・という、「泥棒に入られた」という人の話を聞かせてもらいました。
しかし空き巣ならともかく、自分がいる時に泥棒に入られたら、これは恐怖。まして女性だけの家だったら逃げるのが正解でしょう。
夜中にふと目を覚まし、自分しかいないはずの家なのに、ギシギシと廊下を歩いているような音や物を動かす音が聞こえてきた場合、こんな時、その正体としては、「泥棒」と「心霊現象」のどちらが好ましいかと言えば、自分としてはどっちも嫌です。
男なら立ち向かう人もいるでしょうが、自分だったら、どうでしょう。やっぱり家から逃げますね。武器を持ってる場合が怖いです。
高校時代の同級生で、侵入者に備えて寝室に、棒と魚を獲る銛(もり)を準備しているという奴がいましたが、こういうことが実際あるのなら、彼の準備もまんざら考え過ぎとも言えませんね。