ちょっと変わった知り合い。(3)

▼05 酒に極端に弱い。~普通はなくさないもの。

極端に酒に弱いくせに飲みに出るのが大好きな人がいました。60代前半の人です。

だいたいビールをコップ4杯か5杯くらい飲むとすでに記憶がなくなるぐらいに酔っ払います。

とある日この人が飲みに出ました。それで休み明けに自分と会社で出会った時に言ってましたが

「この間、飲みに出た時にメガネと靴をなくしてのぉ。メガネは作りに行って、靴は家に予備があったから何とかなったが、焦ったわい。」

などと言ってました。メガネは時々使う老眼鏡という意味ではなく、常にかけているメガネで、靴はもちろん履いていった靴です。メガネと靴って普通無くしますかね。

メガネは何かの都合で外した時もあるかも知れませんが、
「靴をなくしたってどういうことですか?靴を履かずに帰ったんですか?」
と聞いてみましたら

「いや、いつのまにか靴が片方なくなっとって、片脚が靴下のままだったんよ。それでその後、別の店に行った時にそこの店の人に、片方の靴、どうしたんですか?と聞かれて靴を履いてないことに気がついたんじゃ。

いや、何か歩いてて変だと思っとったんじゃが、靴を履いてなかったんじゃの。」

と言います。

片方、靴を履いてなくても何か変だと思っただけなんでしょうか、普通一発で分かりますが。。

それで片方、靴下のままで繁華街を歩いて次の店まで行ったというのが驚きです。

▼06 酒に極端に弱い。~今から何をするところ?

ある日、この彼は家で飲んでいました。飲むと言っても強い酒は飲めません、ビールだけです。

相変わらずビールで酔っぱらって勢いがついたのか、これから飲みに出ようと思い始めました。家にタクシーを呼びました。

それで繁華街まで、と言ってタクシーに乗って出発したわけですが、何分間か後、この彼は

「ありゃ?わしは今から飲みに出るところじゃったかいの?それとも飲みに出て、今、帰っているところだったかいの、どっちじゃったかの?」

と、今から自分が飲みに出るのか、それとも家に帰っているのか分からなくなったそうです。

それで結局、最初にタクシーに行き先を行ってるものですから、タクシーに任(まか)せて着いた先は繁華街でした。

飲みに出ているところだった、ということが分かりました。帰る時には無事に帰ったみたいですね。

会社で出会った時、「あの時どっちだったか分からなくなってのぉ、結局飲みに出たーや。」と言った話をしていました。

しかし普通、今から飲みに出るのか、家に帰っているのか、分からなくなるって、そんな人はまずいません。

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