特殊な生活習慣
何日も風呂に入らなくても平気な人っていますね。
以前もちょっとだけ書いたような気がしますが、自分が今から確か13年以上昔にいた、飛び込み営業中心の会社で、そういう特殊な彼がいました。
その彼は、真夏の暑い時期であっても4~5日に一回しか風呂に入りません。
外に出る仕事だったのでガンガンに汗をかきますが、それでもへっちゃらでした。
しかも、その汗にまみれた同じカッターを3日連続で着てきたりします。
左の脇の下に緑色のペンキのついたカッターを何日も連続で着てくれば、さすがにそれが同じ物であることは誰でも気が付きます。
自分が新人時代、その人と社用車で出かけたことがありますが、その人専用の社用車に乗ると運転席には飲みかけのペットボトルが、朝の時点ですでに置いてありました。
「これ、昨日の飲みかけですか?」と聞くと、「失礼な。今日で3日目です!」と、説明してくれました。
ジュースを飲みかけの状態で車に乗せておいて、夏なら3日、冬なら一週間もたせるらしいです。
朝の服装点検の時間でも一週間に3日くらいの割合でズボンのチャックが全開になっていました。
しかもその、あいたチャックの部分から、カッターのすそがピョコンとはみ出しているので、まるでアレが出ているかのように見えます。
ある日、彼が事務所でイスに座っていました。イスに座って彼はおもむろに脚を組みました。
組み方が浅かったので、ちょうど靴の底が見えました。ですが、一部分、靴の底の色が違います。何か肌色のように見えます。
よく見ると靴の底は10cm×4cmくらいの大きさに、すり切れた穴が開いていました。
しかも履いている靴下も全く同じ形にすり切れて、同じ穴があいていたので、靴の底からハダシが見えていました。
色が違うと思ったのは、彼の素足(すあし)の色でした。
そして彼は仕事中でもメモ帳を持ちません。お客さんから言われたことは自分の手に直接ボールペンでメモします。
手の甲に何らかのメモをすることは誰しもよくやることですが、彼の場合、ほとんど手も洗わないし、風呂にもあんまり入りませんから、そのメモのスペースがどんどん広がっていきます。
手の甲を埋め尽くして、メモは前腕部分に書かれ始めます。そしてそこもいっぱいになると、今度は上腕二頭筋の部分に書かれることになります。
半袖カッターのソデのぎりぎりの部分までメモは駆け上がり、腕全体がメモだらけになります。
まるで「耳なし法一の腕だけバージョン」のようです。
また、社員旅行に行った時、彼と一緒の部屋に寝ることになりましたが、その部屋は、小中学校の修学旅行のように、4人が相部屋の和室でした。
夜だったので、すでに布団が敷いてありましたが、その時点では、それぞれ、誰がどの布団に寝るか、布団の場所はすでに決まっていました。
それで部屋でみんなでテレビを見ていましたら、ちょっと盛り上がった場面になり、それを部屋に備え付けの風呂に入っていた彼が聞いていて、彼が突然風呂から全裸で出てきて、「お~」とか言いながら、全裸で濡れた体のまま「人が寝るべき」布団の「枕」の上に直接座り、そのままテレビを見始めました。
さすがにこれは「その布団をとっていた」社員が文句言って布団を変わってもらいました。
当時30代後半だった彼も、今は50になりそうな年齢になっているはずです。10数年全く会ってませんが、今では少しは清潔になったのか、当時の現状が加速しているのか。
自分には到底真似できない生活習慣でした。