夜の繁華街に自動運転のタクシーが入った場合に考えられること。

何日か前のニュースですが、アメリカで自動運転のタクシーが群衆に破壊されたというニュースがyahoo!に掲載されていました。
2024-02-20jidou-unten

破壊された理由は自動運転のタクシーで事故が多く発生しているため、民衆が頭に来ているということらしいのです。

日本でももちろん自動運転のタクシーは実験や検証が進められていますが、日本よりも随分と道路が広い、そして人口密度も低いアメリカですら自動運転によるタクシーの事故が多発しており、完全実用化にはまだまだ問題がありそうです。

だいたい決まったコースを走る電車やバスが完全に自動化になっていないのに、それよりはるかに複雑なタクシーの方を先に自動化するというのはどうなんでしょうか。

日本でもいずれは自動運転のタクシーが走るだろうという予測ですが、完全に自動化はかなり困難になると思います。

自動というのは走ることだけが自動であって、行先をセットするのは乗客です。

特に夜のタクシーといえば酔った人が中心ですので、自分の考えですがこういったことが予想されます。

▼お客に関して

・乗った時点で行き先もセットせずにすぐに車内で寝る。その間料金も上がるので目が覚めたら料金2万円ぐらいいっている。

・ゲロを吐いたり小便を漏らしたのをそのままにして降りる。あるいは無人であることをいいことに、ゴミを置いて降りる。

次のお客が呼んだ時、ドアが開いてびっくり。自動運転のタクシーは汚いという印象がつくようになる。

・目的地はセットできてそこにはきちんと着いたのだが、その時点でお客が寝ている。いつまでも降りないのでタクシーはその場でいつまでも停まっている。

・仕事のストレスなどでむしゃくしゃしている通行人が、停まっている時に車体を蹴ったりして、あちこちがへこむようになる。

・車内にスマホや財布を忘れても運転手がいないので届け出る人がいない。
次のお客が良い人なら警察に持って行ったりしますが、そうでない人の場合は、そのまま持って行かれる。

・4人で乗って家に帰る場合、4人分の行先をセットしなければならないので非常に手間がかかる。一人が酔っぱらって住所が言えないと非常に困る。

▼運転に関しては

・車1台がやっと通れるぐらいの細い道路で対向車とはち合わせをした時に、人間であればどちらかが下がって広いところ、例えばそれは人の庭であっても頭から突っ込んでどちらかが道を譲ってすれ違うこともできるが、AIで果たしてそういったことができるのかどうか。

・工事現場での片側交互通行で臨時の信号が出ていれば信号の色で判断できるかも知れませんが、警備員がいて棒で合図をしている場合、それがAIに判断できるのかどうか。

・ナビは幹線道路を中心にコースを決定するので、それが最短距離でない場合も多々出てくる。その分料金が上がる。

・人間の運転手の場合、信号のない道を選んだり裏道を通ったり、お客の要望を聞いて走ることもできるが、自動運転のナビは王道の道を走って融通がきかない。

▼人間でなければできないこと。

バックして方向転換する時など、細かい運転技術に関しては圧倒的に自動運転が優(すぐ)れています。

ですが、不特定多数の人間を乗せるとなるとかなり難しい問題が起こってきます。タイトルにも書きましたが、酔った人間を乗せた場合です。

人間の運転手であれば、相当ひどい酔っぱらいを乗せた場合、こんな感じで対応できますが無人の車ではこういったことは無理ですね。
――――――――――――――――
最初にお客が言った、だいたいの行き先まで着いた時に運転手が

「お客さんここまで来ましたよ、ここからどうしましょうか。」

と聞いても完全に寝ているということは非常に多くあります。泥酔していると声をかけただけでは起きません。

そうした場合、運転手が車から降りて客席のドアを開けて

「お客さぁん!ここまで来ましたよ!ここからどう行ったらいいですかね!頑張りましょう!」

と言って肩を叩いたり胸を叩いたり、肩をつかんで激しく揺すったりして叩き起こします。

どうにかお客が起きたら道案内してもらって家までたどり着きますがその時点でまた寝ているので

「着きましたよ!ここでいいんですか!」と言ってもまた寝ているので

再び運転席から降りてお客を揺(ゆ)りまくってようやく起こし

「2400円もらってもいいですか!」と言ってお金をもらう。

降ろす時には最初に足を車から引っ張り出して、それから手を引っ張ってようやく車から降ろせます。

「家まで一緒に行きましょう!よく頑張りましたね!」

と言いながらお客の手を掴(つか)んで家まで一緒に行きます。降りたその場で横たわって道路に寝る人とか玄関まで行っても鍵が見つからずにあきらめて玄関の前でまた寝る人などがいるので、特に冬だったらほっとくと凍死するかも知れないので、お客が鍵を開けて完全に家の中に入るまで見届けて、それでやっと一件終了。

こういったことは人間でなければできません。
――――――――――――――――
自分の予測ですが最終的に酔っぱらい相手に自動運転をするとトラブルや苦情があまりにも多発する結果となり、また先にも書きましたが車内が汚れたい放題になるので頻繁にお客からの苦情で車を呼び戻して会社で掃除をすることになるでしょう。

自動運転は昼間のビジネスマンや旅行者など、頭のシャキッとした人に限定して行き先もすべての番地が対象というのは不可能で、この建物の入り口であるとか駅の乗り場であるとか、幹線道路からあまり外れていない地点であるとか、行き先がある程度限定された運営方法になり、結局人間の運転手がメインで自動運転のタクシーはその一部として運行することになるのではないでしょうか。

また車体価格が高いということは容易に分かります。800万とか1000万とかするようなタクシーでしたら、気軽に買えるものではありません。会社にある全てのタクシーを自動運転に切り替えるとなると億単位の出費になります。

どの会社も、ある程度の台数を導入して昼間限定の営業といった形に落ち着くのではないでしょうか。

1 / 11
サブコンテンツ

このページの先頭へ