ダイヤルQ2って覚えてますか

ダイヤルQ2とは、電話による有料情報サービスのことで、開始されたのは1989年。
「電話料金のほかに、情報料がかかります。」とか何とかいうアナウンスとともに色んな番組を聞くことが出来た。その情報料は、電話料金とともに徴収されるシステム。
 
NTTとしては、有料のテレフォン相談などに使われることを想定してこのサービスを始めたらしいが、実際にはアダルト業者がすぐに目をつけ、援助交際目的の番組や、テレフォンsexなどに使われ始め、日本中でアダルト番組が乱立した。
 
高校生がダイヤルQ2をやったおかげで家に数十万とか百万円以上の電話料金の請求が来て社会問題になった時代である。
 
今から10年以上前、自分が以前いた会社でも、当時、営業所でダイヤルQ2が大流行した。(10年以上前のことだから書いてもいいでしょ)
 
その会社は西日本に支店が20くらいあって、当時の流行に乗り遅れず、色んな支店の色んな社員が会社の電話を使って仕事中にダイヤルQ2をかけまくっていた。
 
ある年の3月、本社の方に100万近い電話料金の請求が来たことがあった。ブッたまげた経理の人が調査をすると、あっさりとこの事実が発覚した。
 
そしてたまたまその1カ月後、この会社では、毎年一回行われる「方針発表会」が開催される時期だった。
 
「方針発表会」とは、全支店の全社員数百人が本社に集められ、社長や専務の話を聞くイベントである。
 
その式の進行の途中、当然のごとく、先月のダイヤルQ2の話が出された。
 
もう、完全に怒っている営業部長が、「この中で、ダイヤルQ2をやった各支店の責任者は全員ステージの上へ上がれーっい !! 」と怒鳴ると、8人か9人の支店長さんがダダダーっと走ってステージの上に駆け上がった。
 
「お前ら、そこから全員に向かって謝れーっいっ !! ○○支店からじゃーっ !! 」
「はい、○○支店 ! 、ダイヤルQ2をやってー ! すいませんでしたーっ !! 」と叫んでそこの支店長さんが深々と頭を下げる。「つぎぃ !! 」
 
「はい、□□支店もダイヤルQ2やってましたーっ ! すいませんでしたーっ !! 」「つぎぃ !! 」
「はい、××支店 ! 、5人でダイヤルQ2やりましたーっ !すいませんでしたーっ !! 」
といった感じで、その会社の「今年度の方針発表会」では、「ダイヤルQ2」という絶叫が会場内に何度もこだましていた。
 
普段から「偉い人」と思っていた各支店長が真剣な顔してステージの上でダイヤルQ2を連呼していたので、とても面白かった。

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