ちょっと変わった知り合い。(1)

自分も社会人になって36年くらい経過しまして、その間にいくつかの会社に転職しましたし、それぞれの会社でいろんな人と出会いましたが、その中でもちょっと変わっていた人のことを書いてみたいと思います。

どの人も、もう縁が切れて十数年経っています。
これらの人たちは、自分が特に仲が良かったというわけではなく、以前の会社にこういう人がいたというだけの話ですので、自分がそういった人たちやそういう世界と積極的に関わっていたというわけではありません。

▼01 強盗

自分は以前いた会社では毎日夜勤をしておりました。自分と同じ時間帯に勤務する人ももちろん何人もいました。

その中の一人であるAさんは、中途入社で2ヶ月ぐらい前に入ってきた人でした。年齢は見た目50代半(なか)ばくらいでした。

ある日の夜勤明け、帰る間際に会社の休憩室に入ると、Aさんに出会いました。会話をほんのちょっとだけして、「それじゃあ、お疲れ様でした。」とお互いに言って会社を出ました。

夜勤ですから朝帰ってその日の夕方にまた出勤です。昼間に寝てその日の夕方にまた会社に出勤してくると、別の同僚が話しかけてきました。

「おい、Aさんのこと知っとるか?
今日の昼間、包丁持って強盗に入ったらしいで。入った家は女の子の一人暮らしで、キャッシュカードを奪って暗証番号を聞いて隣の市のイズミのキャッシュコーナーで50万降ろしたらしい。

それで現在まだ捕まっとらん。逃走中らしいで。」

あまりにも突飛(とっぴ)なことを言うのでびっくりしましたが「それマジですか!」と聞きましたら「おお、ホンマじゃ!」と言います。

もちろん強盗のAさんはその日は会社には出勤してきませんでした。

そしてその翌日、もう捕まったらしいです。強盗に入った翌日のことでした。

他の人は言うには強盗に入った当日にすでに防犯カメラで顔が判明してそれですぐに正体が分かったということは、もう警察のデータベースに載っていたということじゃないのか、あいつ前科があったんじゃないかという噂になってました。

それで結局それ以降は会社には来なくなりました。

あの日の朝、こっちが「お疲れさまでした!」と言ったら「お疲れ様でした!」と返してきたんですが、自分はそのまま家に帰りましたが、彼は家に帰る前に強盗してから帰ったんですね。

あれから15年くらい経ちましたので、もうどこかで社会復帰はしているでしょう。

02 ▼勤務中の酒

出勤した時に会社でアルコール検査をやってる会社は今では一般的ですが、出勤した時だけではなく、帰る時にもアルコール検査をやっている会社もあります。

勤務中に酒を飲む人間がいるからですね。特に車で外回りをしている会社でしたら、勤務中に飲んでいたとしても他の社員には分かりません。

当時の会社の同僚の、とある社員も酒が大好きで勤務中に時々飲んでいたようでした。

ある日その社員が社用車で営業に出て、その帰り、まっすぐ会社には帰ってこずに、繁華街の方に立ち寄ってそのまま飲み屋に入りました。

まだ勤務中でしたが、自分の彼女とその飲み屋で待ち合わせをしていたようです。

それでほどほどに飲んで帰る時になって、自分は社用車に乗ってきたわけですから、それに乗って帰ることになります。

彼女の方も自家用車で来ていましたが、彼女の方は代行運転を呼んで帰ると言います。

それで彼女は代行(運転)で帰り、男の方は代行にくっついて社用車を運転して彼女のアパートの下まで行きました。もちろん男は飲酒運転です。

ですがなぜかそのアパートの下で、その男と彼女がケンカになったそうです。

それで男があまりにも激しく怒鳴り散らすので、その場にいた代行の人が心配して、ケンカを止めるために警察を呼びました。

まもなく警察が来ましてケンカの仲裁に入ったのですが、男女とも酔っているのは警察もすぐ分かります。

そして事情徴収の一環で警察が、
「それでこの車で一緒に帰ってきたんですか?車内でも、すでに揉めていたという感じですか?」

といったことを聞きましたら男は

「一緒の車で帰って来たんじゃないわ!わしはこの車を運転してここまで来たんじゃ!」

と、会社の名前入りの車を指差して飲酒運転でここまで来たことを断言したものですから、すぐにアルコール検査が行われまして逮捕となりました。

警察に連れていかれて、警察が会社にやってきました。

勤務中に飲んでいたことや飲酒運転をしたことなどが全部発覚しましてすぐに解雇になってしまいました。

ですがたしか、その3年か4年後ぐらいだったと思います。この男、またこの会社に入社してきました。

聞けば、この会社の管理職とばったりスーパーで出会ってちょっと立ち話をして

「また雇ってーや。」

とその男が頼んだらしいのです。それでその管理職の人も人事権を持っているような立場の人でしたから

「おお、ええよ。また帰ってくるかね。」

といった感じで即採用したらしいです。

ああいう形で解雇になっても、ほとぼりが冷めたらまた雇うとは、確かに随分と人手が足らないような会社ではありましたが、なかなかおおらかな会社ですね。

復帰してから出勤してくるようになり、自分も復帰後、最初に出会った時には

「久しぶりですね、また帰ってきたんですね。」

と一言だけ挨拶をしておきました。

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