絞り優先モードで撮っていると、突然明るすぎる写真や暗すぎる写真になる場合があります。
大会写真を撮る場合、おととしくらいからマニュアルモードで撮っていますが、それ以前は10年ぐらい絞り優先モード(Aモード)で撮っていました。
写真の明るさを決める要素は、シャッタースピードと絞り、ISO感度がありますが、絞り優先モードとはご存知の方も多いでしょうが、絞りの数値を自分で決めてシャッタースピードをカメラに任(まか)せて撮るモードです。
ですからシャッタースピードはカメラが決定します。シャッタースピードが遅いとそれだけ多くの光が入ってきますから明るい写真になり、シャッタースピードが速くなると入ってくる光の量が少ないために暗い写真になります。
絞り優先の場合、カメラはシャッタースピードを変えることで明るさを調節しています。
だいたいの場面ではこの設定で良かったのですが、絞り優先で撮っていると、同じ設定で撮っているにもかかわらず、突然明るすぎる写真になったり暗すぎる写真になったりします。
絞りと露出補正の数字は自分で設定するために固定なんですが、シャッタースピードをカメラが調節した結果、同じステージを撮っているにも関わらず、明らかに明るさが違う写真が撮れたりします。
こんな感じですね。
この2枚は共通で写っているのは10番の選手ですがカメラをちょっと左へ向けるとシャッタースピードが遅くなって明らかに露出オーバーで明るすぎる写真になっています
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード800分の1秒
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード160分の1秒
こちらの方も共通で写っているのは43番の選手ですが適正な明るさで取れている上の写真の構図からちょっとカメラを右に向けて取るとずいぶんと暗い写真になっています。
絞り5.6 露出補正-0.3 シャッタースピード500分の1秒
絞り5.6 露出補正-0.3 シャッタースピード1000分の1秒
絞り優先(Aモード)やシャッタースピード優先モード(Sモード)は、1つの要素を自分が決めて固定し、それ以外の要素をカメラが決定して最適な明るさで撮れるモードです。プログラムモード(Pモード)はシャッタースピードも絞りもカメラが決定します。
つまりカメラに任(まか)せておけばほとんどの場面において適切な明るさで写真を撮ってくれるはずなんですが、時々そうでもない時があります。
何でこの1枚だけ急に明るくなるんだとか暗くなるんだとかそういうことがちょくちょくあります。
もちろん、こういった場合でもちゃんとした露出で撮れていることは多いのですが、そうでない時も結構あるということです。
こういったことに関して写真家の橘田龍馬(たちばなだ-りょうま)さんが動画で話しておられました。橘田さんの動画は自分もよく見ています。
【Aモードを封印せよ!】Mモードで簡単に楽に撮影する方法!viva-photo♪_【写真家】橘田龍馬
5:20のところです。
「Aモードで撮るとカメラが反射光、(すなわち)被写体に当たって跳ね返った光を拾うから、色が変わる・シチュエーションが変わると反射光の量が変わるから、カメラがそれに合わせて明るさをどんどんどんどん変えちゃうんです。」
これではないかと思います。
つまり、その直前に撮っていた場面よりも背景に黒い部分が増えたということで、カメラは暗い場面になったと判断して明るく撮ろうとしてシャッタースピードを遅くします。
その結果、露出オーバーの明るすぎる写真が撮れるわけです。
下の2組はそれぞれ絞りも露出補正も同じであるのに、下の写真の方が黒が増えたせいかシャッタースピードが遅くなっており、それによって明るすぎる写真になっています。
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード400分の1秒
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード100分の1秒
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード400分の1秒
絞り5.6 露出補正+1.3 シャッタースピード100分の1秒
この下の2枚は同様に、絞りも露出補正も同じですが、背景に赤が増えたせいかカメラが明るくなったと判断し、シャッタースピードを速くして、暗すぎる写真になっています。
絞り5.6 露出補正-0.3 シャッタースピード320分の1秒
絞り5.6 露出補正-0.3 シャッタースピード1250分の1秒
また、ズームインとズームアウトにしても、3人が収まる構図と全体を撮った構図では、全体を撮った構図の方が黒が増えるせいか、カメラが明るく撮ろうとし、その結果明るすぎる写真になってしまってます。
絞り(F値)5.6 露出補正+1.7 シャッタースピード500分の1秒
絞り(F値)5.6 露出補正+1.7 シャッタースピード160分の1秒
絞り(F値)5.6 露出補正+0.7 シャッタースピード200分の1秒
絞り(F値)5.6 露出補正+0.7 シャッタースピード125分の1秒
こうした突然発生する、明るすぎる写真や暗すぎる写真を防ぐためにはマニュアルモード(Mモード)で撮れば回避できます。
マニュアルモードはISO感度も絞りもシャッタースピードも全て自分で決定するモードで、カメラに何も決めさせません。ですのでどのような構図であっても同じ露出で撮ることができます。
ではどんな場合でもマニュアルモードの方がいいのかというと、それもちょっと疑問ではあります。マニュアルモードのまま暗いところを撮れば、それはそのまま暗く映ります。ですから被写体の明るさが変わったと思えば、実際に撮る前にISO感度を変えて明るさを調節する必要があります。
これが絞り優先やプログラムモードであれば多少暗くなってもカメラは最適な明るさに自動で調節して撮ってくれますが、だからといってカメラに任(まか)せているとこの投稿のように露出で失敗することも結構あります。
絞り優先やプログラムモードであればほとんどの場合、適切な明るさで撮ってくれますが、それはほとんどの場合であって全ての場合ではありません。
結構はずしていることも多いのです。
ただ何百枚とか何千枚とかいろんな箇所をとっていると、露出の失敗写真が圧倒的に少ないのはマニュアルモードの方ですね。
写真の明るさを決めるのは、絞りとシャッタースピードISO感度ですが、マニュアルモードでしばらく撮っていれば、なんとなくそれぞれその数字を覚えるようになります。これぐらいの明るさだったらこれぐらいかなみたいな感じで覚えてくれば、圧倒的にマニュアルモードの方が楽ですね。