降水量とはミリメートルかミリリットルか。この意見には反論すべきか。

随分と前、以前いた会社での会話。

その夜、仕事が終わって帰る直前の雑談の時間、結構激しい雨になってきたので、「雨」のことが話題になった。

「なんかえらい雨が降ってきましたが、そう言えば、この間ニュースでやってましたが、関東の方で一時間に500ミリの雨が降った所があったんでしょ。あれってすごいですよね。」

「一時間に500ミリっていうことは、一時間で50センチ水が溜まるっていうことですよね。それに比べれば、これぐらいの雨だったらまだマシかも。」などと言っていると、ある上司の人が口を挟んできた。

「違うよーっ ! 500ミリっていうのは一時間で500ミリリットル水が溜まるっていう意味だよ ! 水の深さじゃなくて体積。ミリメートルじゃなくてミリリットルだよ ! だから500cc!」
「小学校の時、習わなかった?なんかこんな容器があって、それにどれくらい水が溜まるかで降水量測るの。ま~ったく君ら、ものを知らんねぇ。」

500ccというと、自動販売機で売ってるウーロン茶やアクエリアスの、あのちっちゃいペットボトルの大きさでしょ?あれが一時間でいっぱいになる雨が、豪雨なのか?

大体、受け止める容器の大きさで、一時間に溜まる水の体積なんて全然違ってくる。

「いや、あれは水の深さのことでしょう。」
「いやいや、全然違う。体積のことよ。全く、恥ずかしいよ、君ら。よくそんなことが言えるねぇ。」

誰が聞いても明らかに間違っているのだが(後でネットで調べた)、あまりにもこの人が真剣な顔をして熱く語るので、ヘタに反論すると長引きそうなのでみんな黙っていた。

なにしろこの人は普段から「俺は雑学王よ。」「社内で一番、一般知識が多いのは俺だろうね。」などという言葉を、よく言っているので変に議論になるとヒートアップして、家に帰る時間が遅くなってしまうのは間違いない。

するとこの人の理論でいくと、よく天気予報で聞く「明日、1ミリ以上の雨の降る確率は・・」の1ミリの雨というのは、一時間で1ミリリットル(1cc)の水が溜まる雨ということになるが、はたしてそれは「雨」なのか?

「よく覚えてた方がいいよ。一つ勉強になったね。君ら小学校の頃、あんまり勉強してなかったんだろ。」
などと、誰も反論しないものだから完全に勝ち誇っていた。

仕事上のことなら間違いは正しておかないと後で色々と困ったことになるから、そういう時は部下でも意見を言うが、たあいもない世間話なら、全然違ってても、みんな早く帰りたいから流す。
どうでもいいので。
しかし勝ち誇った態度が何かむかつく。

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