入院がもたらした別の効果
今回入院したのは潰瘍性大腸炎が悪化したためですが、入院中、あるいは退院した今になって気づいた入院の別の効果もありました。
一番大きな影響は、あれだけ何年も前からかゆかった頭のかゆみがなくなり、フケが出なくなったことです。
自分の場合、フケはいつも大量に出ていました。会社に出勤する時に原付で行っているので、原付に乗る前にヘルメットをかぶるのですが、ヘルメットをかぶる為に眼鏡を外した途端、両サイドからフケがバラバラと落ちます。
ちょっと頭を掻(か)いただけでもフケがバラバラと落ちます。時にはフケとは言わず、直径5ミリぐらいの頭皮そのものが剥(は)がれて落ちてきたこともあります。シャンプーもいくつも変え、毎日頭を洗っていてもそんな感じです。
色々なシャンプーを使ってみた結果、一番フケもかゆみも止まったシャンプーがメディクイックというシャンプーです。普通に薬局でも売っています。数か月間使ってみて、一番良かったものですが、それでもまだ完全ではなく、フケは多少出ている状態でした。
入院中は、ずっと点滴の針が刺さったままだったこともあり、毎朝出してもらう体拭きのタオルだけで着替えていたものですから、当然頭も洗っていません。一応、そのタオルで髪の毛だけは拭いていました。
入院当初は枕の横にフケが落ちたりもしていましたが、ふと気づくといつの間にかフケも出ず、頭のかゆみも全くなくなっていました。
そしてもう2か所、毎日すごくかゆくてたまらず、毎日2回かみみ止めを塗っていた箇所があるのですが、そこもすっかりかゆみがくなっていました。
内臓と皮膚は密接な関係があると、本で読んだことがあります。これら皮膚のことも、病院での健康的な生活がもたらした恩恵ではないかと思っています。
では、これまで自分が不健康な生活を送っていたかといえば、心当たりはあります。特にこの2年くらいで、腸に更に負担をかける悪習慣がいくつかついてしまいました。
まず睡眠不足です。睡眠時間は、休みの日に12時間から14時間寝溜めして、平日は3時間くらいでした。仕事が運転なので、1時間くらいならいつでも寝れる環境にあったことがかえって災いして「うわ、また3時間くらいしか寝られん!まあいい、車の中で寝よう。」という考えになっていました。睡眠は3時間プラス細切れの数十分でいつも寝不足状態でした。
それから寝る前に25度の焼酎を毎日飲んでいるのですが、以前はお茶で割っていたものをいつの間にか割らずに氷だけで飲むようになっていました。しかしもその氷がほとんど溶けない間に全部飲み切るものですから、ほぼ25度そのままを飲んでいたような感じです。
食べるものはほとんど肉と揚げ物ばかりで、野菜はごくわずかでした。好きなものだけ選んで食べてました。
煙草は1日1箱半吸っていました。一本吸い終わると口の中がイガイガするので、自分の癖で、吸った後には必ずジュースなどで口をゆすいで、それをそのまま飲み込んでました。ですから口に残った煙、ニコチン、タールなどは全部胃から腸に入っていたわけです。
入院中はこれらの習慣が全て改善された生活になります。禁酒禁煙はもちろん、食事の時間も8時と12時と18時と、毎日正確です。献立も栄養士さんが考えたものです。午前と午後に一回ずつ栄養ドリンクが出ます。
22時消灯で6時起床。毎日の点滴。
これら健康的な生活で、皮膚の異常も改善されたのではないかと思います。もしも、体にちょっとした不調があるのであれば、生活習慣を正すことで治るものもあるかも知れません。
▼寝たきりだと脚が衰える
よくこのように言われます。16日間ずっと寝たきりだったわけではありませんし、病院内を歩いたり、意識して階段を7階まで昇ったりもしていましたが、それでも普通の生活と比べると歩く量はごくわずかです。一日の大半を寝た状態で過ごしてました。
退院してから「脚が衰える」という意味が分かりました。普通に歩いてて時々脚がふらつくのです。「おおっと!」という感じでとっさに壁に手を付いたり何かに掴(つか)まる時が、やたらと多くなりました。
ふらふらっとなって転びそうになるのです。退院の翌日、自分の家で畳の上に座っていて、立ち上がろうとした時、バランスを崩して前のめりにどっしゃあんと転んだことがあり、これはちょっとショックでした。相当、脚が衰えてました。
ですから、身体全体が衰えてるのは容易に想像出来ました。退院して5日目に、いつも行っていたトレーニングジムにリハビリをするつもりで行ってきました。
ジムでは最初にベンチプレスをやったのですが、入院前は90kgが7回は上がっていたので、これを40kgでやってみました。40kgならいくら何でも10回くらいは出来るだろうと思ったのですが、これでさえとてつもなく重い。。
3回上がって、4回目を上げようとした時、もう力が入らず潰(つぶ)れてしまいました。しかも久しぶりだったので、横のセフティガード(潰れた時、バーベルを支えてくれるガード・赤い矢印の部分)の高さを自分の高さにセットするのを忘れていました。
自分の体の厚さでは、そのガードの高さは低すぎたのです。つぶれた時、もろにバーベルが自分の胸の下の部分にどかっと落ちてきました。
その後、バーベルのシャフトが体に食い込むような感じで、ようやく横のセフティガードで止まりました。圧迫されて苦しいながらもどうにか体を下にずらして頭を抜いて脱出できましたが、それ以来、バーベルの落ちてきた部分が痛くてたまりません。これ、肋骨(ろっこつ)にヒビでも入ったんじゃないかと結構気になります。
病気が快復したと思ったら、退院してすぐに怪我。リハビリでバーベルを落として骨にヒビが入ってたら笑い話にもなりません。40kgで潰れたなんて虚弱過ぎてジムの人達にも言えません。
「普通に生活に必要な用事をして、普通に歩いて移動する。」
ということは、健康な人ならそれが当たり前ですし、全く何も考えることもなく普通にやっていることです。
ですが、入院してほとんど寝たきりの生活をしていて復帰すると、健康状態の普通は、結構、体を動かしていたんだなということがよく分かります。
ほとんど寝た生活をしていると急激に体が衰えます。
ふらつかず、普通に歩けるようになるまで一週間かかりました。