特賞が当たった

結構昔のことだが、知り合いの人が言っていた。
 
「俺ねー、○○が当たったんよ!」
 
(その○○とは、何だったかよく覚えていないが、確かケーブルテレビの一社だった。)
 
「機械と工事費がタダよ、タダ ! 昨日家に帰ったら、ポストに何かハガキみたいなカードが入ってたんで、銀色の部分をこすったら、「特賞」って書いてあったんじゃ !
 
「特賞」は機械と工事費は無料と書いてあったんで、もう、申し込んだでぇ!」
 
「当たったって、何か懸賞にでも出してたんですか?」
「いや、何も出しとらん。」
「出してないのになんで当たるんですか?」
 
「よく分からんけど、とにかく特賞が当たった。ちなみにそのカード、ポストの前に他に2枚ほど落ちとったから、それも拾ってこすったら、2枚とも特賞じゃった。」
 
「ほおぉ~っすごいじゃないですか ! じゃ、特賞3枚ですか !」
 
「いやぁ、まぁね。でも、説明読んだら、工事が特殊な場合は別途料金がかかって、基本料と受信料は自分で払わんといかん。
 
更に4年間は解約出来ません、解約する場合は2万円払ってもらいます、で、更にここの会社の会員になってもらいます、と書いてあった。」
 
なるほど。
 
多分、そのカード、10枚こすったら10枚特賞が出るような気がする。
 
特賞が当たったんじゃなくて、人を勧誘する手段としか思えないのだが、でもお客さんが喜んでくれて、会社側も売り上げが上がるのだから、これこそまさに理想のビジネス形態。
 
純粋な心の人ほど、上得意様という気がする。

1 / 11
サブコンテンツ

このページの先頭へ