その場で言うべきではなかったかも知れません。
自分は仕事で夜の飲み屋街に深く関わる業務をしておりまして、飲み屋のママさんとか夜の業界の人と話す機会が結構あります。
先日とある飲み屋のママさんが言ってましたが、最近、従業員の女の子を1人雇ったそうです。
ですがその子がどうもイマイチでして、あまりそのコを目当てに来るお客もおらず、売り上げを上げてくれる子ではないのです。
先日も店が暇だったので、ついママさんもいろいろと店内に目が行きまして、その子を見ていて気づきましたが、この日は店がオープンして何時間も経つというのに、そのコはまだ2杯しか飲んでいません。
よく飲みに行く男だったら誰しもご存知のことと思いますが、飲み屋に行ってそこの女の子が
「一杯いただいてもいいですか?」
と聞いてくると、それはお客さんの支払いで私に一杯飲ませて、という意味です。
だいたいこちらの相場では一杯1000円です。女の子は5杯飲めば5000円ほどそのお客さんの売り上げを増やすことができるわけです。
店としては女の子がガンガン飲んでくれればどんどん売り上げが上がります。
それでそのママさん、その女の子に
「ちょっとあんた!今日もほとんど飲んでないじゃないの!私は今日はもう10杯以上飲んでるのにさっきから見てたら2杯しか飲んでないわよね!そんなんじゃ売り上げも上がらないからもっとガンガン飲んでよ!飲んだ分が売り上げになるんだから!自分の給料ぐらい自分で稼ぎなさいよ!」
と怒ったそうです。店の経営者としてはそれは当然の感覚かも知れませんが、それをお客さんの前で言ったものですから、それを聞いていたお客さんもママさんに
「お前なー、俺、一応客なんだから、客の前で売り上げがどうのこうの、普通言うかそんなこと。確かに売り上げにこだわるの分かるけどさ、なんかそういうこと言われると一気に冷(さ)めるんだけど。」
というと従業員の女の子も
「そうですよー、ママ。そういうことはやっぱりお客さんの前で言っちゃまずいんじゃないですか?」
と2人から言い返されて、それでママさんも激怒です。
さすがにその場ではケンカはしなかったもののた、たまたまその日のその後、自分と話す機会があってママさんがそういう話をしていました。
「私は経営者なのに、なんでお客と従業員に言い返されないといけないわけ?私は間違ったことは言ってないでしょ!お客の売り上げからあのコの給料払ってんのよ!売り上げを上げろは当然のことでしょ!私、何かまずいこと言った?」
と、自分の方に聞いてきます。いや、言ってることは経営者としては間違っていないとは思いますが、言うべきタイミングがちょっと違っていたかも知れません。
このママさんも自分は10年以上前から知ってまして普段は温和な人というイメージがあるんですが、酒が入るとやはり感覚が変わってくるんでしょうね。
