カラオケでダメな曲
「社員旅行」といえば、夜はほとんどの場合、ホテルの宴会場で宴会ですね。
大企業であれば、全員いっぺんに旅行ということはありませんが、中小企業だったら社長や役員以下、一般社員までの全員が揃っての宴会となるので、このあたりが普段の飲み会と違ってくるところです。
中途入社で入った「彼」が、その会社で初めての社員旅行・宴会に参加した時のこと。
宴(うたげ)も盛り上がった頃、幹事役の人が順々に
「希望者は1人一曲ずつカラオケをしてもらいますが、歌いたい人いますか?」
と聞いているので、彼が「あ、歌います。」と言うと
「曲は何にします?」と聞いてくるので
「北酒場でお願いします。」と言うと
「ダメです。それは社長が歌う可能性が高いです。他の曲にして下さい。」
「は?ダメな曲があるんですか?」
「社長と専務が歌いそうな曲は歌わないようにして下さい。演歌系は全面禁止です。」
「いや、だったら最初にその2人に歌ってもらうとか、何歌うかを聞いたらいいんじゃないですか?」
「そんなこと聞けるわけないでしょう!いつもあの二人がラストに終わってお開(ひら)きになるパターンですから!」
ということで、次の曲をリクエストすると、それは許可が降りたようです。歌う曲に許可が必要なのか。。
偉い人が歌いそうな曲を想定して、下っ端の者は、それを歌わないように、と事前に指示しておくとは何という細やかな気配り。
ヤクザ社会の宴会では、こういう配慮があると読んだことがありますが、普通の会社でもこういうのがあるとは。
でも、上の人の気分を害さないように動き回るのは大したものです。
上の者に対する気配りといえば、この人のことではありませんが、以前、知り合いが言ってたことで、こういうの聞いたことがあります。
「うちの会社に、ヒラ社員のくせに、社長やら専務、部長に、年賀状や暑中見舞い、お中元もお歳暮も送っとる奴がおる。普段、顔を合わすこともしゃべることもない役員たちに、普通そんなことするか~?魂胆(こんたん)見え見えじゃん。」
と。
それも上の者に対する気配りかも知れませんが、同じ身分の同僚は、やっぱりボーナスの査定とか昇進に対して下心のある行動とみなすかも知れませんね。
その贈り物社員の人も努力していることは大したものだと思いますし、その行動を悪いとは思いませんが、同僚からは嫌われてしまうかも。
でも役員に対する贈り物という発想も努力もすごいものだと思います。自分はちょっと真似できませんね。