7つの家
今では火事で焼けてしまったと聞きましたが、山口県の心霊スポットとして「7つの家」というところがありました。
名前そのまま、7つほどの家が建っていた、山口県光市にあった場所です。
「7つの家」は、昔、殺人事件があった家であるとか、そこに住んでいた人たちが忽然と姿を消したとか、あるいは、ただの建売住宅が人が住まないまま廃墟と化しただけだとか、色んな話があります。
今から多分、10年以上前だと思いますが、この「7つの家」がテレビで特集されて、事件の再現フィルムが放映されたことがありました。
以下はその時の自分の記憶を元に書いたもので、うろ覚えのところもあり、決して「これが7つの家の真相だ」というわけではありませんので、「噂の一つ」という参考程度に読んでみて下さい。
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そこに建っていた七軒の家の一つには、主人と妻、小学校低学年の息子の、3人家族が住んでいた。
ある時、夫婦喧嘩が始まり、主人は怒りのあまり、妻の頭を後ろから花瓶で殴り、殺害してしまった。
幸い、子供のいない時だったので、子供にはバレていない。主人は妻の遺体をすぐ近くの山の中に埋めた。
しばらくして子供が帰宅してきた。妻はもういないから、当然、主人がご飯の支度をしたり、子供の面倒をみるようになる。
だが、子供としては、ちょっとでもお母さんの姿が見えないと
「お母さんどこ?」
と聞いてきそうなものだが、その子供は何日経っても父親に
「お母さんはどこへ行ったの?」
などとは聞いてこない。
逆に父親の方が不審に思って、子供に聞いてみた。
「なあ、お母さん、何日も前からいないだろ? どこへ行ったか聞かないのか?」
と。すると子供は父親の方を指さし、
「いるじゃないか!いつもお父さんの後ろに立って笑っているよ!」
と言うので父親はびっくりし、バッと真後ろを振り向くと、そこには殺したはずの妻が立っていた。
妻は常に主人の後ろに立っていたのだ。ただ、それに気づかなかっただけだった。だが子供には母の姿が見えていたのだ。
「うわあぁぁぁ!」と悲鳴を上げ、主人は気が錯乱して発狂状態になり、勢いで、近くに住む家の住人を次々と殺傷していった。
そして事件の後、助かった人たちも次々とこの地から引っ越して行き、最終的には7つの家には誰も住む者がいなくなった。
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確かこういう話でした。もちろん、噂の一つです。