男の痴漢被害

東京で区役所に勤務しているSさん。
電車で職場まで通勤していた時、Sさん何気なくぼーっと立って電車に揺られていた。すると突然、前に立っていた若い女性にいきなり手首をつかまれ、
「この人、痴漢です!」
と大声で叫ばれ、手を上に上げられた。
 
全く何もしていなかったSさんは、腰が抜けるほどにブッたまげた。
「何もしてないだろうがーっ!他の奴だろ、やってたのは!」
と、当然無罪を主張したが、他の乗客たちも寄ってきて完全に犯人扱い。
 
駅で警察に通報され、現行犯逮捕となった。
電車が駅に着いた時、逃げようと思えば逃げられたのだが、逃げるとますます立場が悪くなると思ったSさんは、警察を交えて正々堂々と、その女性と話し合おうと思い、素直に捕まることにした。
 
相手の女性はスカートの中に手を突っ込まれて、下着の中にまで手を入れられたと主張するが、Sさんは断じて自分ではないと主張し、話は平行線のまま言い合いが続いた。
それに加えて警察の取り調べはあまりにもしつこく、いい加減ウンザリしてきた。
 
担当の刑事からは
「痴漢は親告罪(被害者の告訴がないと裁判ができない犯罪)だから、コトを荒立てなくなかったら、相手と示談した方がいい。」
と勧められ、Sさんも、もういい加減この場から開放して欲しいという思いもあって
「すいませんでした。」と謝って、やってもいない痴漢をやったと認め、示談金を払う約束をしてようやく終了した。
 
もう、自分が痴漢をしたことにして、金を払ってカタがつくのならその方が楽だと思ったのだ。
 
だがこれが命取りとなった。
この一件は職場にバレてしまい、Sさんは即刻区役所を解雇された。自分で認めたのがマズかった。
 
このSさんのように痴漢の疑いをかけられ、面倒臭さから犯行を認めたがために会社を解雇になった人は、全国に相当数いると言われる。
 
所属している会社の雰囲気にもよるが、例えば社長が
「お前、痴漢で捕まったんか~。ハッハッハ、馬鹿やの~、バレたら速攻で逃げーや。」
というようなところならどうってことはないが、これが一部上場企業に勤めている人とか公務員だったら、ワイセツ行為で警察に捕まったなんてことになると解雇される可能性が極めて高い。こうなると相手の女を殺してやりたくもなる。
 
最近では示談金目当てに、ありもしない痴漢をデッチ上げて金をせしめる女もいるという。ターゲットにされた男は不幸としか言いようがない。
だがデッチ上げ場合、取り調べをしてみると、女の話が最初に話したこととと10分後に話したことが食い違っているとか、話のつじつまが合わないとかで、デッチ上げの痴漢は見破られることも多いらしい。
 
やってもいない痴漢で犯人扱いされたら、断じて認めないこと、弁護士を呼んで法廷で争うくらいの気構えで妥協しないことが大事らしい。弁護士費用がかかっても、ワイセツ犯の烙印を押された上に無職になるよりはマシ。
 
いい女が電車内にいたからと満員を利用して気軽に体を密着させていると思わぬ爆弾を踏むことになるとかで、電車通勤の人はお気をつけて。
こう考えると痴漢被害は、男のダメージの方がとてつもなく大きい。

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