名札のシール
仕事でも新年がスタートして、各会社でも、新年の互礼会とか全営業所の社員を集めて決起大会が行われる時期。
とある、外回りの営業会社でのこと。
営業会社は実績が全てで、個人の業績は、上げた数字で評価される。社内に毎月、棒グラフが貼ってあって、売り上げ実績が表示されていた。当然、実績のいい者も悪い者もいる。
その会社では、新年の始まりには、県内の全社員を一堂に集めて決起大会が行われていたが、その決起大会の数日前、それぞれの営業所では、所長から
「決起大会では、これを名札の端っこに貼って出るように。」ということで社員一人一人に「シール」が配られた。
そのシールは、直径5mmくらいの小さい円形のシールだった。色が3色あって、緑と黄色と赤。
一人に一枚ずつ渡されるので、人によってもらう色が違う。本社の方から、名前とシールの色が指定されて、そのリスト通りに、それぞれの社員に渡される。
何か色に意味があるのかと、中途入社の新入社員が、先輩社員に聞いてみたところ、色の意味は
緑色・・業績が良く、会社に利益をもたらしてくれる優秀社員。
黄色・・業績が普通で、特にさしさわりのない社員。
赤色・・業績は最悪。無能なので、さっさと辞めて欲しいダメ社員。
ということらしい。つまり、シールの色は、その人の成績を表しているのだ。全体集会で、その日初めて出会った社員でも、名札を見ればその人の能力が分かるようになっている。何かこれってすごくイヤ。
集会が始まる前には、あちこちで固まっておしゃべりをしているが、その時、赤は赤同士、黄色は黄色同士、緑は緑同士の集団が出来るから不思議。
赤色同士の集団が出来るのは、すごくよく分かるような気がする。