飲み屋のママさんの遭遇する怪我

とある、飲み屋のママさんから聞いたが、結構前、その店の中でケンカがあったらしい。口論ではなく殴りあい。ケンカはエスカレートして、店の外に出て、道路で数人が入り乱れての大乱闘となった。そこのママさんは小柄な人で身長150cmくらいで体重も多分40kgくらいしかない。
 
ママさんも何とか収めようと、一緒に道路に出た。一番エスカレートしている両者の間に割って入って「やめんさいや!」と、止めに入った。だが、だがその瞬間は、すでに一方がキックのモーションに入っている瞬間であった。そのキックは止めに入ったママさんの胸を直撃してしまった。
 
「はうっっ」と言ってママさんは崩れ落ちて道路に倒れ込んだ。しかも悪いことに、そのキックを放った男は建設関係の仕事をしている男で、安全靴を履いていたのだ。
(安全靴を知らない人のために:落下物が足に落ちてきた時などのために、つま先の部分に金属などが入っている靴)
 
そのつま先がモロに入った。この場合、胸の感触がどうこういうレベルの話ではない。しかし安全靴で飲みに行くなよ、と言いたいが。
 
コトの重大さを自覚したのか、わりと冷静だった男がすぐに警察と救急車を呼んだ。両軍が近寄って来て心配そうにママさんに声をかける。おかげで一瞬にしてケンカは収まった。
 
診察の結果、肋(ろっ)骨を一本骨折して、更にもう一本ヒビが入っていたらしい。
 
ちゃんとした手続きを踏んで治療費は相手が出してくれるらしいし、当事者が後日謝りにもきたらしいが、お客同士のケンカなのに結局一番痛めつけられたのはママさんという結果になった。

1 / 11
サブコンテンツ

このページの先頭へ