ピンぼけ写真の数。

ボディビルの大会を見に行って一日中写真を撮っていますと、そのすべてがきちんと取れるわけではありません。必ず失敗写真というものが混じってきます。

失敗とは明るすぎ暗すぎ、ブレやピンボケなどです。このうちの明るすぎ暗すぎ、ブレに関しましては撮る側のミスですので、カメラや機材が変わっても起こるものは起こります。

ですがピンボケに関しましては、カメラとレンズの組み合わせによるところも大きいと思います。

カメラのレンズの組み合わせとは、そのカメラ専用に作られたレンズを使っているか、専用ではないレンズ使っているかということです。

一眼レフのカメラはその内部の構造によって主に2種類に分けられ、それぞれ「フルサイズ」と「APS-C」と呼ばれています。

カメラに興味のない人は聞きなれない言葉かも知れませんが、世の中同じように見えてもちょっと違うものってありますよね。車でもガソリン車と電気自動車がありますし、スマホでもiPhoneとアンドロイドがあります。それと同じような感覚です。

「フルサイズ」と「APS-C」のカメラでは何が違うこと言いますと、内部のイメージセンサーの大きさが違うのです。

イメージセンサーとは昔のフィルム式カメラのフィルムに当たる部分を機械化したものです。このイメージセンサーの大きいカメラがものがフルサイズ、小さいものが「APS-C」と呼ばれます。

フルサイズと来たらもう一つはミニサイズじゃないのかと突っ込みたくなる人もいるかも知れませんが、現実には「フルサイズ」に対するものは「APS-C」という呼び名になります。

フルサイズ機はイメージセンサーの大きさが、昔の35mmフィルムの大きさにほぼ同じ、すなわちフルサイズということでフルサイズ機と呼ばれます。

一方の「APS-C」はイメージセンサーが35mmフィルムと縦横の比率は同じものの、それよりも小さいということでAdvanced Photo System type C(Classic)の略でAPS-Cと呼ばれています。

それでフルサイズのカメラにはフルサイズ用のレンズ(FX)が発売されており、APS-CのカメラにはAPS-C用のレンズ(DX)が発売されています。

それぞれのカメラで、その専用レンズを使うのが一般的です。

ですがこの両者、全く互換性がないというわけでありません。フルサイズのカメラにAPS-C用のレンズをくっつけてもちゃんと撮影できます。

ただし写る範囲は小さくなります。使えますが完全に本来の機能を発揮できるわけではありません。

青がフルサイズのカメラにフルサイズ用のレンズをつけたときに写る範囲。(FX)
赤がフルサイズのカメラにAPS-C用のレンズをつけたときに写る範囲。(DX)
2025-02-10pinboke01

それで自分の持っているカメラ・ニコンのD850はフルサイズのカメラでして本来でしたらフルサイズ用のレンズを使うのが普通です。
2025-02-10pinboke02

ですがこれまでに、2大会ほどAPS-C用のレンズをつけて撮影したことがあります。そのカメラ専用ではないレンズをつけて撮影したということですね。

この場合その時の大会は明らかにこれまでよりもピンボケの枚数が増えたのを覚えています。

具体的には
タムロンAPS-C用 18-400mm(DXレンズ)
2025-02-10pinboke03

ニコンAPS-C用 18-300mm(DXレンズ)
2025-02-10pinboke04

で撮影したことがそれぞれ1回ずつあります。

その時ピンボケになった写真が

タムロンAPS-C用 18-400mm(DXレンズ)
9567枚のうち130枚。

ニコンAPS-C用 18-300mm(DXレンズ)
8247枚のうち155枚。

でした。

ピンボケと言ってもステージがピンボケでも他のどこかにピントがあっていればそれはピンボケ写真ではありませんので、そういった写真は含めていません。こんな感じの写真はピンボケではないですね。観客の頭にピントが合っています。
2025-02-10pinboke05

2025-02-10pinboke06

それに対してこれらは画面のどこにもピントが合っていません。症状の軽いピンボケではありますが、こういった写真をピンボケとしてカウントしました。
2025-02-10pinboke07

2025-02-10pinboke08

2025-02-10pinboke09

本来カメラはピントが合わなければシャッターが押せないはずなんですが、通常の使い方をして、ちゃんとカメラを構えシャッターを半分押してピピッと音がしてピントがあってからシャッターを押すという動作をしていればピンボケはほぼないと思います。

ですが大会で写真を撮っていますと1日中8時間とか9時間とか、そういった時間の中でほとんど時間帯でシャッターに指をかけてひっきりなしにピントを合わせ1日でだいたい1万枚前後とっており、1回ピントを合わせてからズームを微妙に回したりとかそういった動作をしていますと、さすがに全部ピントが合った写真というわけにはいかないですね。

どこにもピントが合っていないのにシャッターが押せる場合があります。

それでは本来のフルサイズのカメラにフルサイズのレンズをつけた場合はどうだったかというとこんな感じでした。2大会分を数えてみました。

ニコンフルサイズ用18-300mm(FXレンズ)
2025-02-10pinboke10

13708枚のうち6枚。
12388枚のうち17枚。

これは2つの大会だけの枚数を数えたものですが、ほとんどの大会がこの組み合わせでとっていまして、この組み合わせですとピンボケというのはだいたいいつもこれくらいです。

本来使うべきレンズを使うとピンボケはごくわずかというのが印象です。


使ったレンズの型番

●APS-C用
TAMRON (タムロン)18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD (B028) ニコン用

ニコンAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR

●フルサイズ用
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR

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